弊社へいただく修理依頼で圧倒的に多いアップル製品はiMacです。
個人、法人を問わず本当によく使われています。その分、修理依頼の件数も多く、長年この仕事をしていると、故障の傾向も見えてきます。
基本的にメーカーサポート終了した古いMacにも対応しています。ただ、実際に修理可能かどうかは、必要なパーツが入手出来るかどうかに左右されます。
■ハードディスク交換料金:約2万円から
(部品代、工賃、出張預かり&納品料込み HDDの容量によって価格が異なります)
iMacの故障個所として一番多いのはハードディスクドライブ(以下HDD)です。まぁ、これはiMacに限らずパソコンの「宿命」ですので、当然でしょう。
HDDは、電源が入っている間は1分間に5,400回転~7,200回転という高速で回転し続ける機械です。モーター駆動している以上、消耗するのはしょうがないです。一般的にHDDの寿命は5年前後と言われています。
iMacのHDD交換は『温度センサー』というちょっと厄介なクセがあります。
iMacは、スリムな筐体にぎっしりとパーツを詰め込んでいます。これは眺める分には芸術的ですらありますが、このせいで熱の問題が起こりやすい傾向にあります。このためiMacでは本体内にいくつもの温度センサーがあり、温度が上昇するとそれを感知して冷却ファンが回り出します。
この温度センサーがHDDにも取り付けられているのですが、年式によって仕様が違います。
★2008年モデルまで:HDDへ両面テープでセンサーを貼り付け
★2009年~2010年モデル:HDDに専用コネクタを接続
★2011年モデル:電源コネクタから温度信号を取り出す
★2012年モデル以降:電源コネクタから温度信号を取り出す
※2012年以降のモデルは、温度信号変換コネクタが必要なのは27インチのみです。
2009年モデル以降の温度信号は、iMac用にカスタマイズされた専用HDDからしか出力されておらず、汎用のHDDに、同じ形状のコネクタがあっても、そこからは温度信号を拾えません。これらの場合、温度信号を取り出すための他社製の特殊な変換ケーブルが必要になります。逆に言えば、このケーブルがあれば、どのHDDをつないでも正常に温度センサーが動作しAHT(AppleHardwareTest)でもエラーは出ません。
ただ、この変換ケーブルは約8,000円とちょっと高価です。通常の修理代+約8,000円が必要ということになります。
ちなみに温度センサーが正常に働かないと、電源を入れるとすぐに冷却ファンが最高速でガンガン回り続けます。ドライヤーをつけっぱなしにしているくらいうるさいです(-○-;)。
■ビデオカード交換料金:2万5千円程度から
(部品代、工賃、出張預かり&納品料込み ※機種ごとに価格が異なります)
次に多いのは、ビデオカードの不良です。
ビデオカード、グラフィックカード、ビデオボード、グラフィックボード等々、呼び方はいろいろありますが、同じものを指します。
画面全体に縦縞や四角いブロックノイズが出たり、画面が真っ白になったり、全く操作を受け付けなくなったりします。
2009年~2011年のモデルに多い症状です。特にMid 2011の27インチモデルではメーカーリコール騒ぎにもなりました。アップルの指定期間内であれば、無償で修理してくれていましたが、現在は終了しています。
ビデオカードはロジックボードの裏側に付いていて、ほぼ全分解が必要になる非常に難易度の高い作業となります。パーツそのものの数が少ないので、パーツを確保出来るかどうか、の方が問題だったりします。特に古いものなるほど入手が難しいです。また高年式のビデオカードは、パーツだけで3~4万円以上になることもあります。(例:Late 2009 27インチ用 ATI Radeon 4850HD 約4万円)
※2020.01.05追記:現在、iMac Late 2011モデルまでのグラフィックボードは、実質どの機種も交換パーツの入手は不可能になっています。
※2021.01.27追記:内容を現状に合わせて一部修正しました。
■ロジックボード、液晶パネル、インバーターボードなど
基本的にどのパーツも修理=交換となりますので、修理可能かどうかはパーツが入手できるかどうかによります。
パーツの供給元の在庫も随時変動しますので、まずはお問い合わせください。
以上、Macの中でも特に需要の多いiMac修理に特化してのご説明でした。