今回のご依頼は「MacBook Proのキーボードが一部反応しなくなった」という症状です。
『MacBook Pro』『キーボード』というキーワードは、この先に待ち受ける大変な事態を暗示しています。

まずはPRAMクリアとかSMCリセットとかを試そうか…と思ったけど、そもそもその手のコマンドを送信するためのキーボードが利かないので、根本的に無理!ソフトウエア的な対処は諦めます。で、予想通り「大変な事態」に直面します。

MacBook Pro「Alminium Uni Body」というアルミ一体型のタイプのキーボードは、本体の裏蓋を開けてバッテリー、ロジックボードなどを全て取り外さないと交換が出来ない設計になっています。

それだけならまだしも、このキーボードは約70本というとんでもない本数の、しかも虫眼鏡で見なきゃ判別出来ないような極小ネジで固定されています。

また、交換作業をさらに面倒にしているのが、キーボードのバックライト機能です。ユーザーとして使う分には、とてもカッコ良くて所有する満足感に浸れる素晴らしい機能ですが、このバックライト、極薄のシート状になっていて、取り外す時にちょっとでも破ったりすると、光らなくなる可能性があります。

外科手術するドクター並みの緊張感とともに、何とかそのシートも剥がし、やっとキーボードとご対面です。
キーボードが見えるようになるまでにすでに30分以上かけてロジックボードなどを取り外しましたが、ここからさらに30分ほどかけて、この無数のネジを無くさないように外していきます。

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参考までにネジの大きさ比較でフチ子さんに登場してもらいました(≧∇≦)

ちなみにこの状態でキーボードの裏側を観察すると、どうも液体をこぼしたような形跡があります。お客様からのヒヤリングでは特にそういう事は伺ってませんでしたが、動作不良の原因はこれのようですね。
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キーボードを外して、完全にアルミのフレームだけの状態になりました。ここで再びじっくり観察すると、フレームにも液体が付着した形跡があります。

キーボード交換が確定となり、パーツを発注します。今回は発注後4日で到着しました。

早速、新しいキーボードを分解時と逆の手順で組み込んで行きます。組み上げもたっぷり1時間ほどの神経集中作業になります。

作業中に新規の別のお客様からのお問い合わせがありました。iMacのBootCamp環境構築でのトラブルのようで、明日お伺いすることになりました。

で、そういう対応をしつつ小さなネジと各種コネクタを慎重にもとに戻し、組み上げ完了!

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全てのキーが正常に反応することを確認し、バックライト無事にも光ってます!

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