最近、Mac関係の依頼が増えてきました。私としてはMacを触ること自体が大好きなので、とてもうれしいことです。
今回のご依頼は、iMacが起動しなくなった。リカバリディスクから起動して、ディスクユーティリティーで修復しようとしても「修復できません」という非情なメッセージが表示され、どうにもならない!という事です。
まぁ「ハードディスク交換で解決するだろう」と、簡単に考えて、とりあえずお預かりしてからじっくり調べてみると、この「Late 2009」27インチ(MB953J/A)(MB952J/A)21.5インチ(MC413J/A)(MB950J/A)から、それまでと微妙に仕様が変化していて、それがとても面倒なことになっていることがわかりました。
一般的にパソコンはどれも方法は様々ですが、本体内部の熱を外へ逃がす、または外部の空気を吸引して内部を冷やす、という仕組みが必ず付いています。内部のCPUやハードディスクが熱でやられないようにするためです。
一世代前までのiMacでは、ハードディスクに両面テープで温度センサーを貼り付け、そこから得られる情報によってファンの回転を制御していました。当然、この仕組みだと思っていたら、この機種からは専用のコネクタで直接接続して温度管理の信号を取り出す方式に変更されているのです!
ところが、このコネクタが大問題で、まず純正ではSeagate製のHDDが内蔵されていて、コネクタは4pinのものが接続されていました。しかし、この機種を含めて、iMacの内蔵HDDは、iMac専用にチューニングされているらしく、市販のSeagate製バルクHDDを買って来ても、ピンアサインが違う可能性があるらしいのです。
調べた結果アメリカで販売サイトを持っている「Vintage Computer」というところで、これについての情報が見つかり、Western Digitalの「Caviar Green WD10EADS」通称「緑キャビア」が成功率が高い、という事でした。またこのサイトでは独自に製作したコネクタケーブルを販売していて、緑キャビア用のコネクタケーブルを注文しました。ちなみにアメリカからの送料などを合わせると、約5,000円(-_-;)。あんまりですね。せいぜい150円ですよ、こんなもの。しかし、背に腹は代えられないという事で、こいつを注文し、到着を待つ間に「緑キャビア 1TB」を入手しました。
約2週間もかかって、やっとコネクタケーブルが到着。
早速組み込み開始!
ちなみに左が純正Seagate用ケーブル、右が今回購入したWesternDigital用ケーブルです。
ここで問題発生!写真でお分かりのように、コネクタには上部に「出っ張り」があります。しかし、HDD側にはそれに対応する「切り欠き」がないのです。(純正で採用されているWesternDigital製HDDには切り欠きがあるそうです。)
したがって、コネクタ側を加工して無理やり対応させることにしました。
「黒ケーブルを上に」と説明があったので、その通りに接続して、とりあえずちゃんとリカバリディスクから起動、ディスクユーティリティから「緑キャビア」が見えました。フォーマットして無事にインストールも完了しました。しかし、途中からどうもイヤな予感が…。
ファンがだんだんと大きな音で回り始めたのです。インストールやインストール後のOSXアップデートごときでiMacのファンは普通はブンブン回りません。制御信号が拾えてないんです。VintageComputerの商品説明にも「ピンアサインはメーカーの仕様変更で対応しない場合もあります」と「ちゃ~んと」書いてあります(笑)。
また分解!
結局、試行錯誤の末、一番左側(内側)で上に灰色、下に黒を接続すると、ちゃんと温度管理に対応できました。
いやいや、中々難易度の高いお仕事でした。
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